ワルファリン wikipedia|無料辞書
ワルファリン (英:warfarin) は
抗凝固剤の1つ。
殺鼠剤としても用いる。ワルファリンカリウムが医薬品として使われ、商品名は
ワーファリン、
ワーリン、
アレファリン、
ワルファリンKなど。
投与方法は経口(内服)のみである。
◆効果・効能
欧州および日本ではワルファリンによる抗凝固療法の効果を、トロンボテスト測定により凝固活性(%)あるいはINR値をモニターする方法が普及している。服用から効果発現までに12-24時間かかり
[ [外部リンク] ワーファリン錠添付文書 ]、さらにプロトロンビン時間
[外部リンク]PTあるいはトロンボテスト
[外部リンク]TTによるINR値が安定するには3-4日は必要である。このため脳塞栓症や肺塞栓症の急性期、あるいは
播種性血管内凝固で緊急に凝固系の抑制を必要とする際には効果が期待できない。このような場合には
ヘパリンを
経静脈投与する。ただし脳塞栓症などで
早期離床を目的としたり
慢性期治療に早めに移行したいときに、急性期のうちからヘパリン投与と並行してワルファリンの内服を開始することはある。
ワルファリンを服用している場合は、
抗血小板療法と違って上記のような効果判定のための血液検査を定期的に実施する必要がある。
◆作用機序
血液凝固因子のうち第II因子(
プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子の生合成は肝臓で行われ、
ビタミンKが関与している。ワルファリンは、ビタミンKの作用に拮抗することによりこれらの生合成を抑制し、その結果として血液の凝固を妨げる。ワルファリンの抗凝固作用はプロトロンビンの活性低下によるところが大きいと考えられている。効果発現に3〜4日かかり、内服中止しても4〜5日効果が継続する。
◆ 使用方法
ワルファリンは治療効果をモニタリングしながら投与すれば大量出血を起こす可能性はきわめて低い。高齢者の皮下出血などは治療域のINR範囲ならば副作用とは考えないのが一般的である。出血がなくともINRが4.0を超えた場合は2日くらい投与を中止し、再検を行う。拮抗薬であるビタミンKを投与すると6時間ほどでINRは減少するが、拮抗効果が持続するためあまり好まれない。出血が起こってしまったら、
FFPを投与し
凝固因子を補う。
入院中では5mg/dayにて投与を開始し、3日目にINRを測定し、それ以後の投与を決定する医師が多いが、その時点ですでにINRが治療域を超えてしまうこともあり、維持量が決まるまでは24時間ごとに測定することが望ましい。残念ながら、具体的なINRに基づいた投与量の設定方法の基準が無く、医師の経験に基づいて投与量が決定されているため、INRの測定頻度も医師によってさまざまとなっている。このため、日本人用の投与開始ノモグラムの作成が強く望まれているが、個々の患者の個人差を総括して作成する必要があり、今だ作成に成功していない。上記のようにワルファリンは効果発現に時間がかかるため、INRが上昇を始めるまでは効果発現が速い
ヘパリンを点滴静注することがある。疾患によって投与量が異なるが
再灌流療法後ならばKN1Aなど500mlの
輸液にヘパリンを体重(Kg)×12×24単位を目安に20ml/hrで投与するという簡便な方法が知られている。ヘパリンの効果判定には
APTTが施設基準上限値の1.5〜2.5倍内であることとされている。
◆ モニタリングとINR
日本、北欧やオーストリアなどの欧州では、トロンボテストによるワルファリンのモニタリングが検査法として利用されている。その理由は、ワルファリンをモニタリングする検査薬の測定精度という観点で、トロンボテストの方がPT測定法よりも、ワルファリン投与によって生ずるビタミンK依存性凝固タンパク質(第?因子、第?因子、第X因子)を正確に測定できるというアッセイ原理になっているからである。PT測定は、第?因子、第?因子、第X因子だけではなく、フィブリノゲン(第I因子)の検査値(健常人200〜400mg/dL)および第V因子の検査値やその影響を含めた凝固活性としてINRに影響を及ぼすことを考慮する必要がある。
INRとTT(%)の関係は一般的に以下となる。
INR 2.0 = TT 17%
INR 3.0 = TT 9%
◆他剤との併用、食品との関係
ワルファリンは、きわめて多くの医薬品との併用によって、その作用が増強したり減弱することが知られている。例えば、三環系抗うつ剤と併用すると効果が増すことがあり、副腎皮質ホルモン剤と併用すると効果が減ずることがある。よってワルファリンを服用している人は医師、歯科医師、薬剤師などに、必ず、その旨を伝えるべきである。
ワルファリン代謝に影響を与える
ブコロームを併用することで、効果が増強・安定することがある。副作用ともいえるが、これを利用してワルファリン処方量を減量することもある。しかし、解熱鎮痛剤であるブコロームを長期間服用することになるため、胃潰瘍や腎不全などのリスクが上昇する可能性があると考えられ、本来、患者に対して説明が必要となる療法であろう。
抗真菌薬であるフロリードゲルを併用すると、代謝が強力に阻害され、致死的にワルファリンの効果が増大することがわかっているが、今だ併用禁忌となっていない。
◆副作用・禁忌
・ワルファリン page1
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